「みどりのゆび」（ぐりーんふぃんがーず＠青山）2009.02.28 その２
さてさて。
ひきつづき「グリーンフィンガーズ」ごとです。
こちらでは舞台のくわしい情報や感想を書きたいとおもいます。だらだら長いです。ご覧になりたくない方はスルーでお願いします。
私は映画版をみていないのですが、ストーリー自体は舞台も映画もほぼ同じ展開ではないかと思います。
ステージは丸テーブル上に３場面が作られてて暗転してまわして場面転換するような作りでした。説明ほんっと下手でごめんなさい。
コリン（あいば）とファーガス（平さん）の部屋、刑務所でみんなが集まる食堂、それとグラウンド兼食堂の裏庭・・・園庭、かな。食堂の窓からはちゃんとその裏庭が見えていて、庭から食堂にしゃべりながら入ってくるような演出もありました。
ぐるりとまわる舞台の中央には大きな木と東屋風スペースがありまして。
そこには生楽器さんたちが。今回部分的に生オケも使用していました。ええとね、チェロやギターの弦楽器さんが２〜３名と、なんとあと一人はHBB！Human Beat Boxのプレーヤーがいらしたのでした。
最初暗闇の中で生オケが響いたとき、ドラムの音が何だか人間くさいなと思ったんですよねえ。まさかもしかしてＨＢＢ？っておもったら案の定舞台の中央でボカスカプシューいうてる人がいて！斬新〜！電子音やドラムを模した音ではあるけれど、人の身体から発せられるそのどっかあったかさや人間味を感じさせるＨＢＢという「音」や息遣いが、この舞台にすごく合ってたと思います。
演出といえば、たばこを吸うシーンがいくつ何人もあるんだけど、どうも実際にタバコ（か、舞台用につくられたタバコ風のもの）に火をつけてすぱすぱしてたっぽいんだよねえ。へえぇっておもった。
ガーデニングしていくシーンでは実際に舞台上の土をほったり肥料をまいたり。（そういう部分もあるセットだったの）演出はどれもこれも過剰でなく適度に適切になされた印象。ともかくまぁ私は好みでした。あいばさん舞台じゃなくても、この演出家さんの演出した舞台をもっとみてみたいなと思ったくらい。
食事シーンでは実際は食べてないとおもうんだけど・・・未確認。
イギリスが舞台のお話らしく、紅茶をのむシーンがかなりあったよお。午後のお茶とか、園庭の作業を休憩してお茶にしましょうとか、お客様に「まずはお茶でもいかがですか」的シーンがたくさんありました。
シーンのひとつひとつは短め。だから展開もはやい。つながりや余韻もみせつつ、でもメリハリがきいてるなって印象。
短いシーンの連続で暗転し場面転換し・・・ってどんどん時間＆話が進んでゆくのですが、個人的にせわしなさは感じませんでした。でも人によっては「もうちょっとじっくり見せてくれても・・・」っておもうかも？
BGMにあわせてちょっとダンス（ってほどではない。リズムをとって動く、程度）（それでも相葉さんの動きの美しさとスタイルの良さは際立ってました）するようなシーンはあったけど、基本的には普通にどストレートプレイです。相葉雅紀や嵐を匂わすようなセリフなどは一切なし。時折笑いも効かせつつ、全体的には静かであたたかなお話。
相葉さんの演技について。
正直、「演技めっちゃうまい！」というような演技ではないと思います。下手ではないけど。ごめんなさい手厳しいこといって。
1幕前半の数シーン、コリンが心を閉ざしきっている部分は特に演技がちょっと固いかなぁ、という印象をうけました。「コリンを演じる相葉雅紀」にみえる瞬間もあって、相葉さんの演技は舞台でもちょっとぎこちないのか。。。とも思いました（ごめんなさい）。
でもお話が進むにつれ、いつのまにか舞台にいたのは、「コリンを演じる相葉雅紀」ではなく、『重い罪を背負って後悔の念にさいなまれ、人生をあきらめて心を閉ざし、孤独の殻に閉じこもっていた、でもガーデニングに喜びをみいだし、ファーガスのあたたかさに触れ、徐々に心がとけてゆく28歳の青年、コリン・ディッグス』でした。
真摯な演技。
役の想いを真っ直ぐに届けようとする気持ちのあふれ出た演技。
あいばさんの演技はそんな印象をうけました。
すごくいい表情してた。泣くシーンでは本当に泣いてるようにしかみえなかったです。
ファーガス役の平さんはさすがの重厚演技。彼がファーガスでよかったなと思いました。
心を閉ざしたコリンが、ファーガスの思いやりやあたたかさに触れ、プレゼントにもらった種を育てたのがきっかけにガーデニングの才能を見出されその過程で徐々に心を開いてゆき、癒されてゆき成長してく様は、平さんの度量の大きさとか、ファーガスの温かな存在があるからこそよりしみてくるんだろうなーって。
脇役陣も演技巧者な方々ばかり。
いとうあい子嬢はまぁ〜〜かわいかった♪♪
ジョージナ役の、いまちょっとお名前失念しましたが。。。。その女優さんのコメディエンヌぷりも素敵でした。そしてかわいらしかった。登場するたび衣装がひとりだけド派手でかわいかったのよー☆
コリンが最初の花の種を植えるがさつな足さばきがすてきでした。
足でがっしがし土をけずって種を袋から乱暴にばさばさおとして、足で土をざざってかけて、ばんばん踏むのよ。「あーいらいらする！しょうがないからうえるけど！」みたいな（笑）
最初そんなだったくせに、ガーデニングをやりなさいってことになったらあっというまにのめりこんでくコリンがとっても愛おしい。
それまで人生をあきらめていた人間なのに、ガーデニングを半ば無理矢理始めたことによって、全てがかわってゆくんだよね。
で、ガーデニングは囚人仲間と一緒にやるんだけどさぁ、その仲間達も、最初はいやいやながら手伝ってるんだけど、気づいたらガーデニングに夢中になって、ガーデニングをすっかり愛しちゃってるの。コリンとの友情とか絆みたいなものもだんだんうまれてくし。
そんな変化もすごくうれしかった。
２幕で２〜３回泣かされましたわー。
特にコリンが自分の罪をファーガスに告白するシーンはほんとなけた。
コリンが抱えた痛みや罪の重さ、悲しみや絶望、それをつつみこもうとするファーガスの優しさとか。
そのファーガスが亡くなったときもだいぶ泣けました。。。
観終わったあと、心があったかくなって、胸がぎゅーってなってあぁ、いい作品みれたなーって思える舞台でした。
アンコールは３回だったかな？いや４回・・・うろおぼえ（滝汗）最初の２回はキャスト全員、３回目はあいばさん一人で登場して、ずっとＢＧＭを演奏していた東屋のメンバーさんたちを拍手でみおくって、さいごに「今日は夕方にも公演があるので、これたらみにきてください」って言ってた。客席全体が「無理だっつうの！」って気持ちだったとおもう（笑）３回目か４回目のアンコールのときはスタンディングオベーションでした。私は後ろの人が見えなくなるかなーとおもって立たなかったんだけど、１階も２階も人すごい立ち上がってた。
ほかの誰でもなく、あいばまさきだからこそ演じることができる舞台だったなと、コリンだったなとおもえました。
組んでる演出家さんとの相性もいいんだろうなあ。きっとあいばさんの力量や演技、様々なものを見極めてもらったうえで、いい作品を選んでもらってるってことだものね。これもしＤＶＤでたら買う。また観たいもん。
あとはそうだなぁ。。。。。
舞台中のハプニングとしては、コリンがプリムローズ（いとうあいこ嬢）に苗の植え方を教えるシーンがあって、舞台中央で、苗をもって、コリンが「思い切ってひきちぎる！」て実際に２つに株を分けるしーんがあったんだけど、思い切ってひきちぎったら、思い切りがよすぎたのか勢いがよすぎたのか、苗についてた花orつぼみがちぎれて綺麗な弧線をえがいて1ｍくらい跳んで
ぴゅーぽて、っと落ちたのよ。
お客さんもコリンも（プリムローズもかな？）思わずそのとんでく様を目で追ってしまい、コリンあいばは「・・・あー」ってな表情でおもわずちょっと苦笑い。
客席からも、あんた思い切って引きちぎりすぎだよ！と思わずくすくす笑いが起きてしまいました。ほんっとあれは笑わずにはいられなかったわ。
それまでは二人の恋がはぐくまれる様子をお客さんみんなでにこにこして見守っていたのに、なんかそこだけコントみたいだったんだもん。
ぶちっ、ぴゅー、ぽて、口あんぐり・・・って！
あと、途中いくつかアドリブ？的な演出もあったようです。
ガーデニングの案をみんなで考えるシーンで、コリンが食堂の椅子の上にたちあがって
「目標は、開催時に、満開にしま〜す♪」
って言うところがあるんだけど、そこだけやたらコリンがおちゃめさんだったの。そこは日々違うっぽいです。でも毎回おちゃめさんみたいです（笑）
あと、ガーデニング作業をするときに、３組に分かれて苗植え競争みたいなのをするシーンがあって、３チームともだいぶ楽しげにそしてすごい勢いでやってるなとおもってたら、どうも実際に競争してたっぽい。私がみたときはコリンチームは２位でした、たしか。
。。。なんだかろくな感想かいていませんね。。。ごめんなさい。
あとで思い返すと「ずきゅーん☆」だったシーンを最後にあげておきます。（観てる最中は正直コリンにしかみえなかったんで萌えとか感じなかった）
